ニュースブログ

記者&スタッフ ブログ

【降っても晴れても すきっぷびより】<133>子育て中に重い病気が見つかった、そのとき。~後編~

2025年01月27日

  • 繝輔ぉ繧、繧ケ繝悶ャ繧ッ

忘れもしない、12年前の1月。
582グラムで生まれて1年以上入院していた息子がようやく退院したと思ったら、わたしに大きな病気が見つかり、手術を受けることになりました。
娘は6歳、息子はもうすぐ2歳の冬でした。

息子はまだ離乳食中。親子で市の療育施設に通い、入院していた病院での診察も頻繁にありました。手順や注意事項をまとめた「引き継ぎ資料」をつくり、夫や、仙台から来てくれた母に説明。
娘の小学校の入学説明会も母にお願いしなければならず、わが子の入学に全力で関われない悔しさが募りました。

数週間の入院。子どもたちがずっと泣いているのも心配だけど、「いつもと変わらないから心配いらないよ~」と言われるのも、「わたしの存在感…!」と、ちょっと寂しい。離れている間に、息子は名前を呼ばれると「はーい!」と返事をするようになり、支えなしでつかまり立ちができるようになり…
成長のうれしさと、自分が立ち会えなかった悲しさ。親心とはフクザツなものです。

入院中は採血、点滴、血糖値の測定で一日に何度も針を刺され、術前には「2リットルの下剤をガブ飲み」という苦行も。どんなときも、支えは子どもたちの存在でした。

6時間以上かかった手術では、胸からわき腹にかけて40センチ以上切り、約10センチの腫瘍を摘出。麻酔が切れると同時に言い表しようのない痛みと違和感、苦しみが襲いかかり、それから数カ月、痛み止めを飲んでも飲んでも、眠れないほどの激痛が続きました。

病院食は、元の料理(肉じゃがなど)をミキサーにかけ、ようかんのように固めたもの。好き嫌いのほぼないわたしでも、たいへん恐縮ながら吐き出したくなるほどの異様な味でした…。が、「もう限界」と思っても、「一口は娘のぶん、もう一口は息子のぶん」と、口につめこむように。

起き上がるだけで激痛だったものの、「歩いた方が傷の治りが早い」と言われ、廊下の手すりにしがみついて必死で歩く日々。2月半ばには長男の2歳の誕生日が控えており、1歳はNICUで迎えたため、「早く退院して、今度こそ絶対に家族で過ごす!」というのも、目標になっていたのです。

退院後も痛みは続き、2カ月で10キロ近く体重が減少。3月には術後の検査入院があったため、娘の卒園式は外泊許可をとって出席。「春を迎えられるかなぁ」と思っていたぶん、その年の桜は感無量でした。と同時に、来年も再来年も、当たり前に桜を見られるとは限らないのだなぁ…と、実感したのを覚えています。

その後の検査で、「最も悪性率が高い型」と分かったものの、半年に一度は検査と診察を受けていますが今のところ再発はなく、手術から5年半後には、第3子を出産。病気をしたことで自分の健康にも(以前よりは)気をつかうようになりました。

そして1月は、ともに子育てをしてきた友人が亡くなった月でもあります。

障害のある子を残して旅立つのは、どれだけ心配で、つらかったか。先日、おうちにお邪魔してお線香をあげさせてもらい、お子さんたちをこれからも一緒に見守らせてほしいと、天国の彼女に伝えました。

3人の子どもたちと一日でも長く、一緒にいられるように。でも、もし、母親であるわたしがいなくなっても、安心して育って行ける温かい地域社会でありますように。

そんな願いもこめて、こうして「みんなで子育て」をめざす活動を続けています。

※写真は手術の3日後、「ママがんばれ~」と送られてきた子どもたちの写真。

▽萩原 真(はぎわら まこと)
【降っても晴れても すきっぷびより】は、すきっぷスタッフで元記者の萩原が、3人育児のドタバタや障害のある息子との生活で感じたこと、うれしいことから尽きない悩みまで本音満載でお届けします。

  • 繝輔ぉ繧、繧ケ繝悶ャ繧ッ

記者&スタッフ ブログ

もっと見る

LINE
Instagram

カレンダー

閉じる
イベントを探す

8月のイベント

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
28 29 30 31      
イベントを探す
カレンダーを閉じる

「すきっぷ‐みんなの子育て」支援会議

閉じる

神戸新聞子育てクラブ「すきっぷ」は「すきっぷ‐みんなの子育て」支援会議各団体の支援を受けて運営しています。