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【降っても晴れても すきっぷびより】<107>「手のひらサイズ」で生まれたきみと①

2023年01月30日

  • 繝輔ぉ繧、繧ケ繝悶ャ繧ッ

3きょうだいのまん中、小学6年の息子は2011年2月、予定日より丸3カ月早く、582グラムで生まれました。

今年はうさぎ年。息子、年男です。
あれから12年、時代が一回りしたんだなぁ…と、ふと、当時を振り返ってみたくなりました。
「超低出生体重児」と呼ばれる1000グラム未満の赤ちゃんの出産は、わたしの人生を一変させました。

当時は、神戸新聞文化生活部の記者。ずっと第二子がほしいと思いながら、連載や選挙などがめぐってくるたび見送ってきたので、待望の妊娠でした。お腹のなかに新しい命があると思うと、うれしくて幸せで、毎日足元がフワフワするほど。

一方で、「フルタイムの記者として、妊娠していようがきっちり働かなければ!」という強い思いもありました。

出産後も働き続ける女性記者が超少数派だった12年前。32歳と若かったこともあり、「妊娠を理由に甘えている」と思われたくない、という気負いや、「後に続く女性に道を開かねば」という使命感のようなものまで、(勝手に)抱いていました。

「安定期に入るまでは知らせないほうがいいだろう」と、社内での報告は直属の部長とデスクのみに。当時はマタニティマークもほとんど知られておらず、かばんに着けていても、通勤電車で席を譲られたりしたことはありません。が、念には念を入れて、会社や取材先に行くときは必ず、かばんから外すようにしていました。

つわりによる気分の悪さ、眠気、頭痛などが常にあったものの、表に出さず、我慢することが「女性が妊娠と仕事を両立すること」だと思い込んでいたのです。

今思えば、妊娠期間は長い会社員人生のほんの一瞬。打ち明ければ理解してくれる人がほとんどだったはず。肩肘張らず、思い切り周りに甘えればよかった、出産後にさまざまなかたちで、社会や会社や周りの人にお返しできたのに…と、反省しきりです。

その日も、風邪ぎみの体調をおして午後7時ごろまで残業していました。

突然、生理が一週間分一気に来たような出血。妊娠10週。あわててかかりつけの産婦人科クリニックに電話すると、「急いで来てもらっても、この時期の流産にできることはない。流れるもんは流れるからね~」とにべもなく、呆然としながら夫に車での迎えをお願いしました。

「妊娠初期のトラブルのほとんどは、赤ちゃんの染色体異常が原因」と言われても、多くの女性は、自分があんなことをしたから…と、ご自身を責め続けるのではないでしょうか。
わたしも、12年たった今でも時折、「あの日、早く帰っていれば」「朝から会社を休んでいたら」と考えてしまうことも。体のなかで命を育てるって、心にも体にも大きなこと。妊産婦さんがもっともっと、穏やかに生活できる社会になれば…と願います。

せっかく宿ってくれた、これから何十年も一緒に生きると思っていた赤ちゃんと、もうお別れしないといけないのだろうか…
後部座席で涙を流しながら見た神戸の夜景は、今も目に焼き付いています。

②につづく

※写真は、生後3カ月ごろの長男。ようやく1000グラムほどになり保育器から出たころ。客観的に見るとまだまだ小さいですが、「大きくなったなー!」と思っていました(^^)

▽萩原 真(はぎわら まこと)
【降っても晴れても すきっぷびより】は、すきっぷスタッフで元記者の萩原が、3人育児のドタバタや障害のある息子との生活で感じたこと、うれしいことから尽きない悩みまで本音満載でお届けします。

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