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写真：ウイトートの展示会の様子。右端が代表の太田さん＝西宮市高松町、阪急西宮ガーデンズ（２０１８年８月３１日）

　小さな娘を抱っこし、２人の息子と一緒に帰宅した日。雨。荷物は多い。マザーズバッグに入れたはずの家の鍵を探すが、見つからない。バッグをひっくり返して探した。家に入るだけなのに…。心が折れていた。
　ウイトート代表の太田綾希さん。３人の子どもに囲まれた、幸せな生活のはずが、実際は子育てに追われイライラが募る日々。家族にも優しくできない自分がいた。そんなとき、子どもにとっての幸せはお母さんが笑顔でいることだと気付いた。ママのストレスを少しでも軽くしたい。考えたのが、おしゃれで使いやすく、鍵がすぐに見つかるマザーズバッグだった。
　ものづくりはまったくの素人だったが、アパレルメーカーに勤める友人らも協力。開発に１年をかけて、子育て体験で得た工夫を詰め込んだ。販売したバッグは累計約２千個になった。
　多くのママに笑顔でいてほしいという思いは、商品開発だけにとどまらない。命をテーマにした映像作品の鑑賞会を企画したり、新作の展示会に併せて天然木を使ったワークショップや人間関係が良くなる講座なども開催したりする。太田さんは「少しでも、ママが自分の心を満たしながら、ご機嫌に子育てできる手助けがしたい」と話している。（西　栄一）

◇第２日曜に掲載します。

〈メモ〉　ウイトートの「ウイ」は、フランス語で「はい」という意味。口にすると自然と口角が上がり笑顔になる。ラージサイズ７９８０円（税別）など。公式サイトｈｔｔｐｓ：／／ｏｕｉｔｏｔｅ‐ｋｏｂｅ．ｓｈｏｐｉｎｆｏ．ｊｐ／

　
2019/09/08　神戸新聞