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乳がん検診の基本【超音波検査】~雪山のなかの白うさぎ?「高濃度乳房」の場合~

乳がん検診の基本となる検査方法「マンモグラフィ」と「超音波」について、乳腺専門クリニック マンマリアコウベの文亜也子先生に教えていただきました。

2024年07月30日

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  • 高濃度乳房(日本乳がん検診精度管理中央機構ホームページより)

画像:高濃度乳房(日本乳がん検診精度管理中央機構ホームページより)

続いて、超音波検査を中心に説明します。これには前回説明したマンモグラフィのお話しが少し関わってきます。乳がん検診は、40歳以上は最低でも2年に1回マンモグラフィでの検診を受けていただくのが検診の原則だとお話ししました。

では、超音波検査をうけたほうが良いのはどんな場合でしょうか?

<超音波検査を受けたほうが良い場合>

・20代、30代で乳がん健診を受ける場合

・40歳以上でもマンモグラフィで“高濃度乳房”の場合

◆高濃度乳房について

乳房は乳腺と脂肪から構成されている臓器ですが、乳腺と脂肪の割合には個人差があります。一般的に若年であるほど乳腺の量が多く、年齢とともに乳腺は減って脂肪の割合が増えてきますが、授乳状況などによっても乳腺の量は異なるので個人差があるのです。

マンモグラフィでは乳腺は白く見えて、脂肪は黒く見えます。乳腺の量が多くてマンモグラフィで白の成分が多く見えることを“高濃度乳房”といいます。上の写真で言うと、“不均一高濃度”と“極めて高濃度”をまとめて“高濃度乳房”といいます。

乳がんなどの病変は、マンモグラフィでは白く見えます。乳腺も白く見えるので、高濃度乳房の場合は乳がんが隠れてしまって見えにくいことがあります。

これを“雪山(=高濃度乳房)の中の白うさぎ(=乳がん)”と例えることもあります。

なので、乳腺の量が多い20~30代の女性が乳がん健診を受ける場合、乳腺が多くても病変が見えやすい超音波検査のほうがおすすめです。それから40歳以上であっても高濃度乳房である場合は、超音波検査を受けることをおすすめしています。ただし、ここで忘れていただきたくないのは40歳以上の検診の原則はマンモグラフィであること。つまり、40歳以上の高濃度乳房の方は超音波検査とマンモグラフィを両方受けていただきたいです。

◆超音波検査で分かること

超音波検査は主に腫瘤(しこり)の検出に優れています。超音波検査では腫瘤の大きさや形態、腫瘤内部の性状、周囲の組織との硬さの比較、血流の有無などを総合的に評価し、画像所見上良性か悪性かの診断をします。悪性が否定できない場合は確定診断のために、細い針を用いた細胞診や組織診を行うこともあります。

自分でマンモグラフィ、超音波のどちらの検査をするかを決めるのが難しいこともあるかと思います。迷われる場合はぜひ乳腺専門クリニックをご受診いただき、乳腺専門医にご相談ください!

【アドバイスをいただいた専門家】

乳腺専門クリニック マンマリアコウベ  文 亜也子 (ぶん あやこ) 院長

マンマリアコウベ

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