聞いて教えて

乳がん検診の基本【マンモグラフィ】~40歳以上の検診の原則~

乳がん検診の基本となる検査方法「マンモグラフィ」と「超音波」について、乳腺専門クリニック マンマリアコウベの文亜也子先生に教えていただきました。

2024年07月30日

  • フェイスブック

今回はマンモグラフィを中心に乳がん検診について詳しく説明していきます。

がん検診には市区町村によるがん検診(住民検診)である対策型検診と、人間ドックなどによる任意型がん検診、さらに職域におけるがん検診(職域検診)があります。

対策型検診はマンモグラフィ、任意型がん検診および職域検診はマンモグラフィor 超音波検査を選択もしくは両方受けることが多いです。受けやすいものを受けていただいてかまいませんが、40歳以上は最低でも2年に1回マンモグラフィでの検診を受けていただくのが検診の原則です。

マンモグラフィは乳腺専用のX線撮影装置、すなわちレントゲンのことで、乳房を引っ張り出し厚みのある乳房を専用の板で圧迫して薄く伸ばした状態で撮影します。

この圧迫は乳腺組織の重なりを取って、乳腺内の異常を見やすくするだけでなく、検査時に生じる被ばく量を減らすためにも必要な圧迫なのですが、圧迫が痛くてつらいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

最近は圧迫時の痛みの軽減に配慮したマンモグラフィの装置が多いです。また、月経直前など乳房が張った時期を避けてマンモグラフィを受けていただくこと、マンモグラフィの撮影に慣れた放射線技師がいる病院を選んでいただくことも、痛みをなるべく少なくするコツです。

◆マンモグラフィで分かること

マンモグラフィでは石灰化、局所的非対称性陰影、腫瘤、構築の乱れなどの所見がないかを見ていきます。

石灰化:石灰化とはカルシウムが沈着したもののことをいいます。石灰化の多くは良性ですが、一部に悪性の石灰化があります。石灰化の形態や分布で良悪性を区別しますが、一定期間の経過観察が必要なこともあります。

実はこの石灰化の所見は次回説明する超音波検査では見えにくい所見なので、私たちはマンモグラフィで石灰化がないかを慎重にチェックしています。

局所的非対称性陰影:反対側に比べて乳腺の影が濃く見えることを言います。正常の乳腺が重なって影が濃くなることも多く、実際には異常がないことも多いのですが、病変の一部が影として描出されることがあります。

腫瘤:腫瘤とは“かたまり”のことをいいます。境界がくっきりしているかぼんやりしているかトゲのように見えるかを判定し、精密検査の超音波検査で詳しくどんな“かたまり”かを見ていきます。

構築の乱れ:マンモグラフィでは乳房全体の乳腺構造を見ることができますが、乳房にある病変によって乳腺構造が歪むことがあります。これを構築の乱れと言います。

検診を受けてマンモグラフィで何らかの異常を指摘された場合は、乳腺専門機関での精査を必ず受けましょう。異常=“がん”ではないので、焦らずにまずは乳腺専門医に相談してみましょう!

超音波検査】に続きます。

【アドバイスをいただいた専門家】

乳腺専門クリニック マンマリアコウベ  文 亜也子 (ぶん あやこ) 院長

マンマリアコウベ

  • フェイスブック

専門家に聞く

LINE
Instagram

カレンダー

閉じる
イベントを探す

8月のイベント

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
28 29 30 31      

もうすぐ始まるイベント

16日(月)
17日(火)
18日(水)
19日(木)
20日(金)
21日(土)
22日(日)
イベントを探す
カレンダーを閉じる

「すきっぷ‐みんなの子育て」支援会議

閉じる

神戸新聞子育てクラブ「すきっぷ」は「すきっぷ‐みんなの子育て」支援会議各団体の支援を受けて運営しています。