すべてのママに知ってほしい“ブレストアウェアネス”　前編

乳がんの早期発見に大事な“ブレストアウェアネス”について、乳腺専門クリニックマンマリアコウベの杉山迪子先生に教えていただきました。

2024年05月16日

今、女性が罹るがんのなかでいちばん多いのが乳がんです。9人に1人の女性が罹ると言われています。乳がんは30代後半から増え始め、40～60代の方に多いがんなので、脅かすわけではありませんが、子育て中のママたちにとっても決して他人事ではない病気なんです。そして、乳がんは早期発見であるほどその後の予後も良い、つまり早期発見であれば治る可能性が高いがんだということもお伝えしたいことです。

乳がんの早期発見のために、ぜひすべてのママに身につけていただきたいのが“ブレストアウェアネス”です。“ブレストアウェアネス”とは、乳房を意識する生活習慣のこと。“ブレストアウェアネス”は4つのことからなります。

1．自分の乳房の状態を知る

乳房は自分で触れることができるので、自分で乳房の異変に気付き、乳がんの発見につながる可能性があります。異変に気付くためにも普段から自分の乳房の状態を見て触って、知っておきましょう。以前は自分で乳房を触ることを“自己触診”と言っていましたが、“自己触診”だと自分で異常を見つけなければならない印象が強くなって「面倒」「難しい」「続かない」という意見も多かったのです。なので今は「着替えの時・寝る前・入浴時など日常のなかで気軽に、自分の乳房を見てね！触ってね！」という習慣を推奨しています。自己触診と同じように感じるかもしれませんが、「自分で乳がんを探すぞ」という意識ではなくて良いのです。例えば、入浴時に邪魔になる髪をゴムでまとめるときに両手をあげますよね？　そこで乳房を見て左右差をチェック。あとは、お風呂で体を洗うときに乳房を触って状態を確認してみましょう。このような感じで良いので、見て触って自分の乳房の状態を知っておきましょう。気合いを入れすぎず、気軽に行うことが継続のコツです。

2．乳房の変化に気を付ける（イラスト2枚目参照）

乳房を見て触ったときに、チェックしていただきたい乳房の変化は

☑ 乳房のしこり（まわりと比べて触って硬いところがあるかチェック）

☑ 乳房のくぼみやひきつれ（左右差があるかチェック）

☑ 乳頭からの分泌物（乳頭を押して分泌物があるかチェック）

☑ 乳頭や乳輪のびらん（びらんとはただれている状態のこと）

とされています。

と書かれても、よくわからない、と言う方が正直なところ多いのではないかと思います。

後編に続きます。

【アドバイスをいただいた専門家】

乳腺専門クリニックマンマリアコウベ医師　杉山迪子先生

マンマリアコウベ