聞いて教えて

【パルモア病院 志水先生】読んでおけば安心!産前・産後「父親マニュアル」(1)

初めての妊娠・出産はわからないことが多く、不安になることもあります。 パルモア病院産婦人科 志水香保里先生に父親、家族へのアドバイスをいただきました。

2023年04月20日

  • フェイスブック

Q.睡眠の確保や、ひとり時間をプレゼントすることが、母体回復にどれぐらい重要でしょうか。

 

A.睡眠の確保、1人時間はどちらも非常に重要です。1日に4~5時間ほどしか寝れないような睡眠不足が5日間続くと情動的な不安定や抑うつのリスクが高まるという報告があります。育児は5日間だけではなく長期間続きます。睡眠不足は体力面も精神面も疲弊させてしまうため、睡眠時間の確保は非常に大切です。

ひとり時間も、是非短時間でもいいので作ってあげて欲しいです。外出して外の空気に触れることでリフレッシュにつながります。

ただ、睡眠時間の確保、ひとり時間の確保の際、1人でお子さんをみれるようにお母さんが色々と準備をしたり、帰宅後に片付けをしないといけない状態にはしないで欲しいです。かえって自分の仕事が増えるのであれば1人時間はいらない、という考え方になってしまいます。

また、みんなが寝ている夜中に赤ちゃんの対応をしていると、すごく孤独を感じます。夜中にママからのヘルプとして起こされた時には、どうか笑顔で優しい気持ちで対応していただきたいです。

===

Q.産後うつの発症リスクを減らすために、パパができることはなんでしょうか。

 

A.産後うつになりやすい方としてより一層注意が必要なのは、うつ病や産後うつの既往がある方です。

ストレスフルな生活は産後うつとの関連が知られており、転居などで慣れない環境、実家や義理実家との家庭内トラブル、職場での人間関係などが挙げられます。そしてコロナ禍の現在はそれだけで強いストレスがかかっており、現代は産後うつを発症しやすい環境になってしまってます。

また産後の不十分なサポート体制も原因として挙げられます。実家のサポートを受けられる産院にする、パパが育休をとる、産後ケア入院やファミリーサポートなどの行政を利用するなど色々手段はあります。そして「手伝ってる」という感覚で育児をするパパさんはすぐに考え方を改めた方がいいです。ひとりっきりで育児している、という感覚にさせないことがも大切です。普段から夫婦のコミュニケーションはもちろんのこと、何がしんどいのか辛いのかをしっかり話せる環境が整っていて欲しいです。24時間、気を張り詰めて生活しているママにとって、パパは育児を手伝う、ではなく、一緒に育児を楽しむ存在でいて欲しいですね。

===

Q.母乳育児にこだわりすぎて、心身ともに疲れている妻に対する言葉がけは

 

A.母乳育児が母子にとって大切であることはよく知られています。母乳は栄養バランスがよく消化にも優れており、母子のスキンシップにもつながります。母乳育児を続けたい気持ちもわかりますが、こだわり過ぎてるように見えるとパパは心配ですよね。

まずは母乳育児を頑張ってるママを褒めてあげて欲しいです。言葉のセレクトはパパにお任せします。例えばパパ自身が仕事を1人で頑張ってる時に、「空回りしてるよ、こっちのやり方に変えたら?」と声かけられるより、「お疲れ様、君がその仕事に専念できるように他の仕事は任せて!」と言ってもらえたら楽になるのではないでしょうか。パパに授乳以外の育児、家事をサポートすることをお願いしたいです。授乳量が整ってきたり、赤ちゃんが飲むのを上手になって添い乳ができるようになったら母乳育児は軌道にのると思います。母乳育児できる期間は限られているので、母乳育児を頑張りたいママの気持ちを支えてみてはどうでしょうか。

 

【パルモア病院 志水先生】読んでおけば安心!産前・産後「父親マニュアル」(2)はコチラ

 

【アドバイスをいただいた専門家】

 

医療法人社団純心会パルモア病院 医員/日本産科婦人科学会専門医

専門分野:産科学・婦人科学

志水香保里先生

 

  • フェイスブック

専門家に聞く

LINE
Instagram

カレンダー

閉じる
イベントを探す

8月のイベント

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
28 29 30 31      

もうすぐ始まるイベント

16日(月)
17日(火)
18日(水)
19日(木)
20日(金)
21日(土)
22日(日)
イベントを探す
カレンダーを閉じる

「すきっぷ‐みんなの子育て」支援会議

閉じる

神戸新聞子育てクラブ「すきっぷ」は「すきっぷ‐みんなの子育て」支援会議各団体の支援を受けて運営しています。