インフルエンザにかかったときのホームケア
家族がインフルエンザにかかったら・・・!自宅でのケアについて兵庫大学の小島先生に教えていただきました。
2019年10月23日
病院でインフルエンザの診断を受けたら、おうちで安静にして過ごしましょう。
ただし、以下の場合は、早めに受診してください。
・けいれんの症状(手足を突っ張る、がくがくする、眼が上を向くなど)
・意識障害の症状(ぼんやりしていて視線が合わない、呼びかけに答えない、眠ってばかりいるなど)
・異常な言動(意味不明なことを言う、走り回るなど)
・顔色が悪い(土気色、青白い)、唇が紫色をしている。
・呼吸の異常(ゼーゼーする、肩で呼吸をする、息苦しそうにしているなど)
・水分が取れず、半日以上おしっこが出ていない。
・嘔吐や下痢を繰り返す。
・元気がなく、ぐったりしている。
受診を迷ったら『子ども医療電話相談』にお電話を
○電話番号:#8000
※市外局番が06または072、ダイヤル回線、IP電話の方は、078-304-8899(ははきゅうきゅう)
○相談時間
平日・土曜日:18時~翌朝8時
日曜祝日及び年末年始:8時~翌朝8時
※兵庫県が設置する子ども医療電話相談窓口
①クーリング
脇の下や足の付け根など太い血管が通っている部分を保冷剤や氷のうなどで冷やすと、全身の体温を下げる効果が期待できます。しかし、熱の出始めは寒気を感じたり、ブルブル震えたりすることがありますので、この時は体を温めてください。熱さを感じたり汗が出始めたりしたら冷やしてください。
おでこに冷却シートを貼っているお子さんをよく見かけますが、冷却シートには体温を下げる効果はありません。また、冷却シートがおでこからずれて口と鼻を覆い、窒息する事故が発生していますので、必ず保護者の監督の下で使用してください。
※解熱剤の使用
発熱は病原体に対処する自然な体の反応なので、むやみに解熱剤の使用は避けたいものです。しかし、高熱(38℃以上)が続くと体力や病原体に対する抵抗力が低下するため、回復が遅れてしまうこともあります。また、食事や水分が十分に取れない場合は脱水の心配もありますので、かかりつけ医の指示のもとに処方された解熱剤を使うようにしましょう。
市販の解熱剤を使用される際には、必ず医師または薬剤師にご相談ください。
②水分・栄養分の補給
子どもは体の中に含まれる水分が大人に比べて多いので、脱水を起こしやすいという特徴があります。熱が出るとたくさんの汗をかきますので、経口補水液 (OS-1など)や乳幼児用イオン飲料、お茶、お白湯などを「少しずつ、こまめに」飲ませましょう。
食事は食べられる時に食べられる物を少しずつ摂りましょう。熱が高い時は胃腸も弱まっていますので、消化しやすいものやのど越しのよいものがよいでしょう。反対に脂っこいものや消化に悪いものは胃腸に負担をかけてしまいますので避けましょう。
【おすすめ食品】
・スープ(野菜、ポタージュなど)
・おかゆ
・卵雑炊
・煮込みうどん
・茶碗蒸し
・とうふ
・ヨーグルト
・りんご(すりおろし、果汁など)
・ゼリー
・アイスクリーム(下痢をしている時、食べすぎに注意)
【さけたい食品】
・脂っこいもの(チョコレート、スナック菓子、ラーメン、焼肉など)
・消化に悪いもの(きのこ、レンコン、ごぼう、タケノコ、イモ類など)
・炭酸飲料
③お風呂
高熱やぐったりしている場合はお風呂に入ると体力を消耗してしまいますので、体を拭く程度にしましょう。お湯で絞ったタオルで体を拭いた後、すぐに乾いたタオルで拭くと水分蒸発によるエネルギーの消耗を防ぐことができます。微熱や元気がある場合は短時間のお風呂やシャワーでもよいでしょう。
汗をたくさんかいた後、そのままにしておくと体が冷えてしまい、症状が悪化してしまいます。こまめに汗を拭いたり、着替えたりしましょう。背中にタオルを入れておき、汗をかいたらタオルを取り換える方法もお勧めです。
【アドバイスをいただいた専門家】
▽小島 光華(こじま みつか)
兵庫大学 看護学部看護学科 講師、助産師。
専門分野:妊娠、出産、子育て