風邪かな?と思ったら ~RSウイルス感染症を予防しましょう~
夏の疲れが出始めるこの時期。子どもたちの間で流行しはじめる「RSウイルス感染症」の予防と対策について知っておきたいことを、兵庫大学の小島先生に教えていただきました。
2019年09月04日
日中の暑さは続きますが、朝晩は少し過ごしやすくなってきました。
この時期から流行し始める感染症に、RSウイルス感染症があります。
今年はすでに8月頃から流行が始まっていますので、ご注意ください。
1.RSウイルス感染症の特徴
①流行時期:9月頃から流行し始め春先まで続きますが、近年は夏季より流行が始まっています。
◆国立感染症研究所のサイト
国立感染症研究所 感染症週報2019年 第33週(8月12日~8月18日)
②感染力:RSウイルスの感染力は非常に強く、咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」や、ウイルスの付着した手やドアノブに触れるなどによる「接触感染」によって感染します。
③生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返します。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています
2.症状
軽い風邪の様な症状から重い肺炎まで様々です。
多く(約7割)は発熱、鼻汁などの症状のみで数日のうちに軽快しますが、重くなる場合(約3割)は、咳がひどくなる、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴を伴った呼吸困難が出現し、さらに細気管支炎、肺炎へと進展することがあります。
特に以下のような赤ちゃんは重症化しやすいので注意が必要です。
・生後6か月未満の赤ちゃん
・早産(妊娠37週未満)で生まれた赤ちゃん
・肺や心臓、免疫機能などの病気を持つ赤ちゃん
3.治療
RSウイルス感染症には特効薬がないため、症状を和らげる治療が行われます。
以下のような症状があるときは、すぐに病院を受診してください。
・38度以上の熱がある
・呼吸が浅く、苦しそうに呼吸をする
・ゼイゼイする咳が続く、咳で眠れない、咳込んで吐く
・痰が詰まる
・ぐったりしている
・母乳・ミルクが飲めない
4.予防対策
お世話をする大人が感染症対策をし、赤ちゃんに移さないようにしましょう。
①手洗い・うがい
②風邪をひいているときはマスク着用
③赤ちゃんが口に入れたり、触れたりするものはアルコールで消毒
④人ごみを避ける
◆参考◆
国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/
RSウイルスinfo.net http://rsvinfo.net/index.html
感染症・予防接種ナビ http://kansensho.jp/
【アドバイスをいただいた専門家】
▽小島 光華(こじま みつか)
兵庫大学 看護学部看護学科 講師、助産師。
専門分野:妊娠、出産、子育て