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【パルモア病院 志水先生】 プレママさんのためのQ&A(4)

初めての妊娠は、わからないことが多く、不安になることもあります。 パルモア病院の産婦人科医師、志水香保里先生に、これまで多くのプレママさんから寄せられた質問についてアドバイスをいただきました。今後も、随時Q&Aを掲載していきます。

2019年06月28日

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Q:葉酸のサプリメントはいつまで飲んだらいいですか?

A:脊椎(背中の骨)の形成がうまくいかずに、神経管閉鎖障害(無脳児や二分脊椎)を起こすことがあり、葉酸サプリメントを十分に内服すると神経管閉鎖障害の発生リスクを70-80%減らすことが出来るといわれています。(逆に20-30%は遺伝的要素などが関係しているとも言われています。)

妊娠が判明してから内服するのではなく妊娠を希望する時期からの内服が勧められます。

特に、抗てんかん薬を飲んでいる方で妊娠を希望する場合には、葉酸サプリメント内服は必須です。神経管の形成のためには妊娠1~2か月前から妊娠12週まででよいといわれています。

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Q:妊娠中のワクチン接種は何をしたらいいですか?(コロナワクチンを除く)

A:妊娠中は不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンの予防接種が可能です。インフルエンザの流行は毎年11~12月頃に始まり、1~3月がピークといわれています。ワクチンを接種してから十分な抗体ができるまで1~3週間かかるため、予防接種のタイミングとしては11月前後の接種が理想的と言われています。

一方、生ワクチンは妊娠中に受けることができません。有名なものとして風疹があります。風疹の抗体が陰性もしくは低かった場合(HI法で16倍以下)には、次回の妊娠のために産後のワクチン接種をお勧めします。風疹抗体価の低い人は麻疹抗体価も低い傾向にあることから、風疹ワクチンよりもMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)の接種を勧めることも多いです。なお、風疹以外にも麻疹(はしか)、流行性耳下腺炎(おたふく)、水痘(水ぼうそう)も生ワクチンのため、妊娠中は接種できず、抗体が不十分な場合には産後のワクチン接種をお勧めします。産後に接種する場合、授乳をとめる必要性はありませんが、接種後2ヶ月の避妊が必要です。

(コロナワクチンについては「プレママさんのためのQ&A(5)に掲載しています。)

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Q:妊娠中の「たばこ」は赤ちゃんにどんな影響がありますか?

A:妊娠中の喫煙は流産、死産、異所性妊娠、常位胎盤早期剥離(胎盤が先にはがれることにより母児ともに危険な状態となる)、早産、低出生体重児、胎児先天奇形などと関連しているといわれています。喫煙によって発生する様々な物質により胎児に十分な酸素が供給されず、赤ちゃんに様々な異常をおこすと考えられています。たばこにより死産のリスクを40~60%上昇させるとも言われており、妊娠を考えている女性や妊娠中の女性には禁煙を勧めています。

しかし、子育てを共にしていく周囲の方々が喫煙されている場合には、妊婦さんだけが禁煙するのは困難です。共に禁煙を目指して、まずは本数を減らすことから始めましょう。

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【アドバイスをいただいた専門家】

医療法人社団純心会パルモア病院 医員/日本産科婦人科学会専門医

専門分野:産科学・婦人科学

志水香保里先生

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