「黄昏泣き」について
「聞いて&教えて」で投稿のあった「黄昏泣き」について、姫路獨協大学の小島光華先生にアドバイスをいただきました!
2016年03月09日
◆「黄昏(たそがれ)泣き」って?
夜も昼もなく、泣いては授乳、起きてはおむつ交換と慌ただしく過ごしていた新生児時代。
3~4か月ごろになると、少しまとまって眠るようになり、あやすと笑うようになって、少しずつ赤ちゃんとのやり取りを楽しめるようになってきます。ママとしては時間や心に少しゆとりを感じられるようになってきた矢先、急に黄昏泣きが始まって、オロオロしてしまうこともあるのではないでしょうか?
黄昏泣きは医学的には3カ月コリック(疝痛)といいます。夕方ごろになると泣くことが多いので、黄昏泣きや夕暮れ泣きとも呼ばれています。
通常、赤ちゃんはおなかが空いたとき、不快なとき(気持ち悪い、苦しい、痛い、熱い、寒い、など)、眠たいときなどに泣きます。残念なことに、この黄昏泣きははっきりとした原因がわかっていませんが、まずは赤ちゃんが通常、泣く原因について対処してみましょう。
◆対策
(1)おなかが空いていませんか?
空腹とは反対に、飲みすぎておなか一杯の時もおなかが苦しくなって泣くことがあります。また、授乳時に空気をたくさん飲み込んでしまって、おなかにガスがたまり苦しくなることがあります。授乳後のゲップもしっかりしてあげましょう。
(2)おむつは汚れていませんか?
濡れて気持ち悪い、うんちが硬くて排便時に肛門が痛む、おむつかぶれがあっておしっこをしたらしみるなど、排泄との関係もみてみましょう。
(3)環境は整っていますか?
お部屋の温度・湿度・明るさ・静かさ、お洋服を着せる枚数、などを調整してみましょう。赤ちゃんは体温調整がうまくできないので、室温計をチェックしたり、背中あたりを触ってみたりして汗をかいていないか・冷えていないかを確認してみましょう。
(4)お熱はありませんか?
3カ月ごろを過ぎると、おなかの中でママからもらった免疫が少なくなるため、病気をしやすくなります。体を触ったり、体温計で測定したりして、体温をチェックしてみましょう。
黄昏泣きの特効薬はありませんが、和らげる方法を紹介しますのでお試しください。
(1)妊娠中に聞いていた歌を聞かせたり、歌を歌う。
(2)抱っこ、背中をトントン、ユラユラ
首がすわっている赤ちゃんは背中におぶる、立て抱きで背中をやさしくリズミカルにトントンする、ママの胸に赤ちゃんの頭がくるように立て抱きし、体をぴったりくっつけてママの体をゆっくりユラユラ揺らす、など。赤ちゃんの手足が自由に動くよりも、おくるみなどでくるんであげると落ち着く赤ちゃんもいます。また、外気に触れて気分転換するのもよいでしょう。
(3)タッチング
ベビーマッサージなど、赤ちゃんの肌に直接タッチすると、赤ちゃんだけでなくママにもリラックス効果があります。
黄昏泣きは1~2カ月で治まることが多いようですので、「なんとかしよう」とするのではなく、「うまく付き合う」ようにしていきましょう。
ママがイライラしないためにも、ママ自身も誰かに何かにケアしてもらうことを忘れずに。
【アドバイスをいただいた専門家】
小島 光華(こじま みつか)
姫路獨教大学 医療保健学部 こども保健学科 特別教授、助産師。
専門分野:妊娠、出産、子育て
聞いて&教えて【黄昏泣き】4ヶ月の息子です