ピースキルト・プロジェクト

ミントクラブが主催する、心のケアを目的とした東日本大震災被災地復興のための支援活動。被災地に生まれた赤ちゃんへ手作りのおくるみを贈ります。
<活動報告>「ピースキルト・プロジェクト」これまでの歩み 2011年12月末現在のまとめ②~「キルト展」を経て、第1便を被災地へ~
神戸新聞ミントクラブ 2012.01.25

ボランティアさんが縫ったピースワーク

完成したキルト

河北新報社の「かほピョンくらぶ」を窓口に、宮城県に届けられた10枚のキルト

神戸新聞ミントクラブが窓口となっている、東日本大震災復興支援活動「ピースキルト・プロジェクト」(2011年4月末発足)では、ボランティアによる手作りのベビーキルトを被災地に生まれた赤ちゃんに贈る運動を展開しています。

これまでの成果をお見せするアメリカンパッチワーク&キルト展「心を布に託して」「(ピーターラビットのお母さんと仲間達主催)を昨年11月23日(水)~29日(火)、神戸新聞ギャラリーで実施。開催前までに完成した15枚を展示しました。

【世界にひとつだけの贈り物】
読者や地域の皆さんからいただいた材料は、仕分けをした後、洗濯をしてアイロンがけし、布目を正します。端布の1枚もできるだけ無駄にせず、色あわせをして、「宵の明星」というパターンを用いた25㌢角の星形を作りました。

わずかの布でも使えるところはすべて星形の一部になり、世界にひとつだけの〝星〟が誕生します。ピースワーク12枚で1枚のキルトになりますが、布の色柄の組み合わせは無限大。どれひとつとして同じものはありません。まさしく世界にひとつだけのキルトです。

キルト制作担当の岡田紘子先生(「ピーターラビットのお母さんと仲間達」主宰)の指導のもと、神戸らしいおしゃれな色柄になるよう、全体のバランスを考えて組み合わせていきました。

キルト作りは、はじめから最後まで手作業で、こつこつと仕上げるものなので、一度にたくさんはできません。しかしながら、丁寧に縫い上げたキルトはたいへん丈夫です。長年のお洗濯にも耐え、赤ちゃんが大人になるまで、50年でも使えるよう、細心の注意を払って仕上げていきます。

完成したキルトは、どれも個性的で優しい雰囲気があります。キルト展を訪れた人たちは、大半が女性でしたが、中には「うまく言葉にはできませんが、胸にくるものがありますね」と話し、じっくり鑑賞する男性客も。「端布がこんなすてきな作品になるとは、驚きました」「きっと喜ばれると思います」などと感想を述べてくれました。

自分が縫ったピースワークを見つけたボランティアさんの中には、キルトと一緒に記念撮影する人もいて、思い思いに完成の喜びをかみしめていました。

【送り先を探して】
さて、展示会の準備が本格的になった秋ごろから、お届け先を探す作業にも力を入れていました。

まずは、ミントクラブと同じく、読者の会員組織を運営する河北新報社(本社仙台市)の「かほピョンくらぶ」が、宮城県の窓口として協力してもらえることになりました。同くらぶの呼びかけで、現地で支援活動を行うNPO法人「地球の楽好(がっこう)」が仲介役として、被災地の赤ちゃんに届けてくれます。

それから、兵庫県内で避難生活を送っている被災者の方々にもお届けできるよう、神戸新聞の編集局を通じ、神戸市長田区のNPO法人「ウィズネイチャー」を紹介してもらいました。また、ボランティアさんの親戚に該当者がいるということで、送り先を教えてもらいました。

こうして、キルトの第1便15枚の受け入れ先が決まりました。

ピースワーク・プロジェクトの活動を紹介する手紙と、洗濯の仕方など取り扱い説明書を同封して、クリスマスの贈り物用に包装。10枚は宮城県、1枚は岩手県。残り4枚は、福島県から引っ越し、神戸市内で避難生活を送る3家庭に届けられました。

【キルトの受け入れ先】
・宮城県
(10枚)
飯井野川仮設住宅(1枚)、河南子育てセンター(4枚)=以上、石巻市
大曲保育所(5枚)=以上、東松島市

・岩手県釜石市(1枚)

・神戸市内で避難生活を送る3家庭(4枚)

ご協力いただいた皆さまに、心から感謝を申し上げます。

プロジェクトをきっかけに出会えた皆さまとは、今後とも連携して、避難生活を送る方たちのサポートを続けたいと思います(まとめ③に続く)。

(C)神戸新聞社