東日本大震災被災地に生まれた赤ちゃんたちに手作りのおくるみ(ベビーキルト)を贈る「ピースキルト・プロジェクト」の活動にご協力いただいている皆さん。これから参加しようと考えているパッチワーク経験者の皆さんに、ピースワークを作るときのポイントについてお知らせします。
以下は、ボランティアの皆さんからよくある質問の答えをまとめています。
【使用する布、糸】
布は綿100%の平織りか、シーチング。明るい色で、水通しをして地直ししたもの。布地を買い求めるとき、「パッチワーク用」と表示のあるものであれば、まず大丈夫です。手にとって、柔らかい肌触りのものであれば、手縫いしやすいです。糸は、キルト用(デュアルデューティー、生成り色)をご用意ください。
綿ブロードは布目が堅いので、手縫いには適しません。季節柄、バーゲン品などで出回っている夏物の布地・綿ローンは柔らかいのですが、弱いので、長年の使用でその部分だけ破れやすくなりますから、これも使えません。
【水通しと地直し】
キルトに使う布は、洗濯機で洗い、のりを落とします。布目を正して干し、生乾きのときに、縦目に沿ってアイロンがけして「地直し」します。横目に沿ってアイロンがけすると布が伸びますから、必ず縦目でお願いします。
洗い終わった布を干すとき、色落ちがないか点検してください。特に濃い色のものは、要注意です。柄物の場合、濃い色の部分だけ色がにじんでいることもあります。色落ちする布はキルトに使えません。
【布の色合わせ】
ピースキルトには「宵の明星」というパターンを用いています。色柄物2種類と、ベースになる生成り色(または白色)の3種類の布の組み合わせが定番。
お手持ちの布をお使いの場合は、赤ちゃんに似合うような、柔らかな色調がお薦め。使用する色に関しては限定いたしませんが、色が濃すぎるものは、他のピースワークと組み合わせにくいことがあります。
また、柄が大きすぎるものは、パッチワークには難しいので避けた方が無難です。
同系色か反対色か。色の濃淡、柄の大小などで変化をつけてみてください。組み合わせは自由ですが、星形に見えることが大事です。皆さんの感性・個性を生かして選んでくださいね。
切り抜いた各パーツは、製図に沿って出来上がりの形に一度並べてみましょう。全体の色の配分、バランスを確認してから縫うと、失敗がありません。布地を切る前に並べたのと、切ってから仕上げの形に並べたのでは、見た目がずいぶん違ってきます。ですから、出来上がりの形に一度並べる作業は、縫う前に必ず行ってください。
【製図を配布しています】
ピースワークの製図が欲しい方はこちらからダウンロードできます。
製図用紙に縫い方の手順や基本について簡単にまとめていますので、参考にしてください。
データ(PDFファイル)はA4判で作成されています。A4判の原寸大に印字したものをA3判に拡大コピーしてご利用ください。
【印刷時のご注意】
PDFファイルを印字するとき、ご家庭のプリンターによっては、紙の内側に収まるよう、自動的に数%の縮小が掛かる場合があるようです。
ピースワークの出来上がりサイズは、1辺が25センチになるようにデザインされています。出力されたデータが原寸大がどうか調べるには、A3判に拡大コピー(「A4判→A3判」に設定して拡大コピー)してみて、「50%図」の一辺が12.5㌢になっているかどうかをご確認ください。
たとえば、1辺が12㌢だった場合、「50%図」をさらに209%に拡大コピーしていただくと、ほぼ原寸大(約25.1㌢)になります。こちらの「50%図」を切り抜いて、型紙としてご利用ください。
なお、すでに作成したピースワークの1辺が25㌢未満になってしまった場合でも、仕上げの際に縫いつける額縁の部分の幅を広げて仕上がり寸法を合わせます。できあがったものは、そのままご提供ください。
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ピースキルト・プロジェクトは、被災家族の心のケアを目的とした支援活動で、神戸ビエンナーレ2011の協賛事業です。長きに渡る被災地復興への道のりをともに寄り添い、支え合うためにはどんなサポートが必要か。何ができるかを皆で一緒に考えながら、地道に続けていきましょう。